とうとう、私の知り合いにも被害者が。本当は怖い「出張見積もり」

数年前から、私は「オーディオを売却するときには気をつけましょう」と、このブログで何度も呼びかけてきました。私が父の形見であるオーディオを、とある業者に不当に安く買い取られたからです。

しかし、とうとう私の仲間が被害に会ってしまいました。
本当に残念です。心底悔しいです。
どうして、彼は騙されてしまったのでしょう。

私は彼に話を聞きました。
するとそこには、とても巧妙なテクニックがありました。
そこで今回は、彼がどのようにして安く買い叩かれたのか、実例を挙げて分析していきます。

1.お願い

その前に、まずはお願いです。
私は「ちゃぼ」という名前で、このようなブログを書いていることを自分の仲間には明かしていません。やっぱり、自分の想いが知り合いに読まれるのは、ちょっぴり恥ずかしいからです。そんなわけで、私は今後も自分が「ちゃぼ」であることは言わないと思います。
が、私は、自分の周りにいるオーディオ愛好家には、このブログを紹介しようと思います。もう二度と、私の周りで被害に会ってほしくないですから。

皆さんにもお願いです。
ぜひ、オーディオをお持ちの方にこのブログを教えてあげてください。オーディオ好きの方は、オーディオを買うプロですが、オーディオを売るプロではありません。損をする金額は、千円二千円ではありません。一万二万でもありませ ん。十万単位で損をします。

私には、オーディオに関しての知識はあまりないかもしれません。しかし、オーディオを買い取る業界についてはそれなりに知っています。オーディオをお持ちの方は、いつか売ることがあるかもしれません。ですから、ぜひこのブログで正しい売却の仕方を身につけてもらってください。

2.トラップ1「電話」

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私の仲間(以降、Aさん)は、この夏に父親を亡くしました。今回かなり安く買い叩かれたのは、そんなAさんのお父さんのオーディオです。そうです。私と全く同じパターンです。Aさんもまた、オーディオに対する造詣は深くなく、売却にあたってはwebサイトで「オーディオ 買取」とキーワードを入れて検索したそうです。そして、まずは自分の好みに合ったデザインの買取業者のページを読みました。

「リサイクルショップでは、どんな良い物も二束三文」
「スタッフはみんな音楽好き」

そんな文章を見て、Aさんのその業者に対する信頼度はどんどん上がっていったのですが、決め手になった内容はこれでした。
「高く、早く買い取ることがポリシー」
Aさんは優秀な営業マンなので、「迅速対応=誠実」との想いが強く、「ここなら安心だ」とすぐにメールを送ったそうです。

メールを送って一時間もしないうちに、その買取業者から電話がありました。
「○○ですが」と名乗ったその声からは、とても親切そうな印象を受けたそうです・・・・・・が、これが最初のトラップです。少し冷静になってみましょう。なぜメールで問い合わせているのに、メールでの返事は一切なく、いきなり電話をかけてくるのでしょうか。

断言します。
これは、迅速対応に見せかけたトラップです。ただ契約を急いでいるだけです。おそらく他を検討されたら困るからです。
困る理由は一つです。
自分たちの買い取る金額が「かなり」低いことを自覚しているからです。

3.トラップ2「出張見積もり」

電話口の男性は、終始丁寧な対応だったそうです。
「お持ちの機器はとてもいいものなので、実際に見ないと金額が伝えられません」
その男性はそう言ったそうです。

しかし、実はこれもまたトラップです。
最終的な買い取り価格は、もちろん実際に見ないと弾き出せません(それをしないで、「最低買取金額」を設定している業者もいます。前回もお話しましたが、そうした業者にはくれぐれもご注意ください)。
しかし、機種名や品番がわかっていれば、最高買取金額は弾き出せるはずです。にも関わらず、それをしない理由は何でしょう。

それは、あなたに会いたいからです。

一昔前は、保険の営業電話がいくつもかかってきました。
そして、その電話は一様に「一度お会いいただけませんか」との台詞を含んでいました。

会うことはとても大切です。

メールでデートに誘うよりも、電話でデートに誘った方が成功率は高くなります。
電話でデートに誘うよりも、面と向かってデートに誘った方が、より成功率は高くなります。
(すみません。これはとある本の受け売りです。ちなみに、最もデートの成功率が高くなる誘い方は、「デートしよう」とは言わずに、面と向かって「美味しい○○のお店を見つけたんだけど、一緒に行かない?」らしいです)

話がそれてしまいましたが、人は顔を突き合わせることによって「No」と言いづらくなる生き物なのです。
(すみません。これも本の受け売りです)

おそらく、その買取業者はそうした人間の心理を知っているのです。
だから「お宅に伺って直接見たい」と申し出てきたのです。

4.トラップ3「いま現金化」

Aさんは、「直接見ないと見積もれない」と言われ、まったく違和感を覚えなかったそうです。そればかりか、相見積もりを取る気すら起きなかったそうです。その業者と電話で話してしまったことにより、頭の中はその業者のことだけになってしまったのでしょう。

ですから、Aさんは二つ返事で出張見積もりの依頼をしてしまいます……が、これが本当に良くなかった。
というのも、こうした業者に直接会ってしまうと、よほどの人でない限り、まんまとその場で売らされてしまうからです。

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Aさんのお宅に来た業者は、本当に紳士だったそうです。検品もとても丁寧だったそうです。そして、一通りチェックが終わると、すぐに金額を提示してくれたそうです。
「え?この場で鑑定も完了するの?」
と、Aさんは本当に感動したそうです。
しかし、この業者のすごいところはここからです。
「先ほどの金額でよろしければ、今ここでお支払いします」
そう申し出たのです。

さて、ここで皆さんに質問です。
「わざわざ家にまで来てくれた」
「とてもいい人そうだった」
「目の前で現金がちらつかされている」
こんな状況で売らない人はいますか。ちなみに、Aさんの提示された価格は「約30万円」です。
30万円が今すぐ手に入るとなれば・・・・・・多くの方が売りますよね。

これが、最大のトラップ「いま現金化」です。
「とてもいい人そうな人」が、「わざわざ家に来て」くれて、「いま現金化」できる。
ほとんどの人が売却してしまうの当たり前です。

5.他の業者なら、Aさんのオーディオはいくら?

「父親のオーディオ○○を売ったら、30万円になったよ」
Aさんは嬉しそうに私にそう言いました。が、私は○○という機器に聞き覚えがありました。そこでその夜、私が一番良心的だと思っている業者に見積もり依頼をしてみると、何と査定額は倍以上の「60万オーバー」。30万以上の開きがあったのです。
もちろん、一時間で見積もり結果は出てきませんでした。
返事があったのは翌日の昼過ぎでした。Aさんが依頼した業者に比べれば、対応は遅いです。しかし、別に私は一時間で返事がなくてもいいと思います。一分一秒を争うわけではないので、二、三日中に返事があれば充分だと思います。それで充分「迅速対応」だと思います。

また、返事は電話ではなくメールでした。文体もとても紳士的で、何より必要以上に売却を急かすような記述もありませんでした。むしろそのメールからは、「大切なオーディオですから、じっくりお考えください」という心遣いすら感じられました。

もしAさんがこのブログを読んでいたら、30万円も損することはなかった。
そう思うと、本当に強い後悔が日に日に増していくのです。

6.まとめ

Aさんの事例から教訓をまとめてみました。

  1. メールで問い合わせたにもかかわらず、すぐに電話がかかってきたら怪しい。
    →契約を急いています。
  2. モノを見ないと見積もれない。と言われたら怪しい。
    →会うと断りづらい人間の心理を突かれています。
  3. いま現金がお渡しできる
    →「わざわざ来てもらった上、いま現金化できる」こうなると冷静さを失うかもしれませんが、せめてもう一社くらいは見積もりをとって返事をしましょう。

以上です。

今回は私の仲間が被害にあったので、所々感情的な部分があると思います。
しかし、私の仲間は「30万円も」損をしたのです。

ですから、皆さん。、オーディオのを売る際は本当に信用できる業者にお願いしましょう。

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